再生紙の断裁加工|「紙粉」や「断面」に配慮したカット技術とは

環境配慮の観点から、名刺やパンフレット、冊子などで選ばれる機会の多い「再生紙」。
企業のCSR活動や環境方針の一環として、再生紙を積極的に採用する動きが広がっています。SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが重視される現代において、再生紙の使用は企業の環境意識を示す具体的な行動として、高く評価されています。
一般的な新品のパルプから作られる紙(バージンパルプ紙)とは異なる特性があり、断裁加工(カット)の際にも特有の注意点が存在します。再生紙の特性を理解せずに加工を行うと、紙粉の発生や断面品質の低下など、さまざまな問題が起こる可能性があります。
この記事では、再生紙の断裁加工におけるポイントについて、紙加工のプロが解説します。環境に配慮した紙製品の製造・発注を検討されている方は、ぜひご参考ください。
「再生紙」とは?(特徴と種類)
再生紙とは、古紙(回収された紙)を原料として、再び製紙された紙のことです。使用済みの新聞、雑誌、段ボール、オフィス古紙などを回収し、パルプ化して新しい紙に生まれ変わらせることで、森林資源の保護と廃棄物の削減に貢献します。
再生紙の最大のメリットは、環境負荷の低減にあります。新しい木材から紙を作る場合と比較して、森林伐採量を削減でき、製造時のエネルギー消費やCO2排出量も抑えることができます。また、ごみとして廃棄される紙を資源として再利用することで、循環型社会の実現に貢献します。
再生紙には、古紙パルプの配合率によってさまざまな種類があります。古紙配合率100%のものから、バージンパルプと古紙パルプを混合したものまで、用途や求められる品質に応じて使い分けられています。また、表面処理の有無によって、非塗工の再生紙と、塗工処理を施した再生コート紙などもあります。
主な用途としては、コピー用紙、名刺、冊子やパンフレット、ノート、封筒、トイレットペーパー、段ボールなどが挙げられます。特にオフィスや公共機関では、環境配慮の観点から、コピー用紙や印刷物に再生紙を標準採用するケースが増えています。また、企業の名刺やパンフレットに再生紙を使用することで、環境への配慮をステークホルダーにアピールする効果もあります。
再生紙の断裁加工における注意点

再生紙が持つ「古紙由来の特性」は、断裁加工に独特の影響を与えます。ここでは、高品質な仕上がりを実現するための3つの重要な注意点を解説します。
注意点1:紙粉(しふん)の発生
再生紙はバージンパルプ紙に比べ、繊維が短くなっていることが多く、断裁時に「紙粉(紙の細かい粉)」が出やすい傾向があります。これは、古紙を再度パルプ化する過程で、繊維が切断されたり、損傷を受けたりするためです。
紙粉は、単なる汚れの問題だけでなく、後工程に深刻な影響を与える可能性があります。この紙粉が印刷機や製本機に入り込むと、機械トラブルの原因になります。例えば、印刷機のローラーに付着して印刷ムラを引き起こしたり、製本機の接着部分に混入して接着不良を起こしたりすることがあります。
また、断裁後の製品に紙粉が残っていると、製品の汚れや使用時の不快感につながります。特に名刺や高級パンフレットなど、見た目の清潔感が重視される製品では、紙粉の管理は極めて重要です。
紙粉の発生を抑えるには、刃を常に鋭利な状態に保つことが基本です。切れ味の良い刃で素早くカットすることで、繊維が引きちぎられる量を最小限に抑えることができます。また、断裁後の清掃やエアブローによる紙粉除去など、後処理の徹底も品質管理の重要な要素です。
注意点2:断面の仕上がり(毛羽立ち)
再生紙は繊維の特性上、刃の切れ味が悪いと、断面が毛羽立ちやすいという問題があります。短くなった繊維が、断裁時に綺麗に切断されず、断面から飛び出すような状態になるためです。
断面の毛羽立ちは、製品の見た目を損なうだけでなく、触感にも影響します。特に名刺や冊子のように、手に取って使用する製品では、断面の仕上がりが使用感に直結します。毛羽立った断面は、安っぽい印象を与えてしまい、せっかくの環境配慮の取り組みも、品質面でマイナスの印象になってしまう可能性があります。
紙の風合いを活かす製品も多いため、断面の美しさを保つための刃の管理が重要です。再生紙は、その自然な質感や温かみのある風合いが魅力の一つですから、断面もその風合いに調和した美しい仕上がりが求められます。
美しい断面を実現するには、定期的な刃の研磨や交換、そして再生紙の特性に合わせた断裁速度や圧力の調整が必要です。また、再生紙の種類や古紙配合率によっても最適な設定が異なるため、紙の特性を見極める経験と技術が求められます。
注意点3:品質のバラつきへの対応
再生紙には、バージンパルプ紙と比較して、品質のバラつきが起きやすいという特性があります。原料となる古紙の状態により、製造ロット間で紙の硬さや厚みが微妙に異なる場合があるのです。
回収される古紙は、新聞、雑誌、オフィス用紙など、さまざまな種類の紙が混在しています。これらの配合比率や状態が、回収時期やロットによって変動するため、製造される再生紙の特性にも若干の違いが生じます。
このため、再生紙の断裁加工では、その都度、断裁機の設定を微調整する必要があります。刃の圧力、クランプ圧(紙を固定する圧力)、断裁速度などを、実際の紙の状態に合わせて最適化することで、安定した品質を維持できます。
この調整には、紙の特性を見極める経験と、機械を細かく調整できる技術が必要です。単に設定マニュアル通りに作業するのではなく、実際の紙の状態を確認しながら、柔軟に対応できる技術力が、再生紙加工では特に重要となります。
再生紙の断裁加工ならサンロールグループにお任せ

サンロールグループは、環境に配慮した再生紙の特性を理解し、その加工にも豊富な実績があります。
長年の経験で培ったノウハウをもとに、再生紙特有の課題に対応した断裁加工を実現します。紙粉の発生を抑え、毛羽立ちのない美しい断面を実現するため、徹底した刃の管理と最適な機械設定で対応します。
名刺、パンフレット、冊子など、さまざまな再生紙製品の断裁加工に対応しており、古紙配合率の異なる再生紙や、再生コート紙など、幅広い種類の再生紙に実績があります。紙の状態に応じた細やかな調整により、ロット間のバラつきにも柔軟に対応いたします。
再生紙の断裁加工ならサンロールグループにお任せください。もちろん、厚紙などの加工も幅広く承っております。環境配慮型の紙製品を検討されている企業の担当者様、印刷会社様、デザイナー様からのご相談をお待ちしております。環境への配慮と品質の両立を実現する、信頼できるパートナーとして、弊社にお声がけください。
まとめ
再生紙は、環境負荷の低減に貢献できる優れた素材であり、企業の環境配慮の姿勢を示す具体的な選択肢です。しかし、環境に優しい反面、「紙粉」や「断面の毛羽立ち」が出やすいという加工上の特性があります。
また、原料となる古紙の状態によって、製造ロット間で品質にバラつきが生じることもあり、断裁加工時には柔軟な対応が求められます。紙の特性を理解し、適切に機械を管理できる専門業者に依頼することが、再生紙製品の品質を保つ鍵です。
再生紙の断裁加工をご検討の際は、再生紙の特性を深く理解し、環境配慮と品質の両立を実現できる、経験豊富な加工業者を選ぶことが重要となります。
