不織布のスリット加工とは？｜柔軟素材でも高精度を実現するポイント

2025年11月3日2025年11月9日

不織布は、フィルター材や衛生用品、産業用資材など多彩な分野で利用されています。

マスクやエアフィルター、医療用ガウン、おむつなどの衛生用品から、農業用シート、包装材、建築資材まで、その用途は多岐にわたります。繊維を織らずに結合させた構造により、通気性や濾過性能、コストパフォーマンスに優れた特性を持つためです。

その加工工程のひとつが「スリット加工」であり、製品用途に合わせてロール状の素材を指定幅にカットする重要な工程です。この工程の精度が、最終製品の品質や生産効率を大きく左右します。

この記事では、不織布スリット加工の基本と注意点、そして高精度加工に対応するサンロールグループの強みを解説します。不織布資材の生産や加工を担当されている企業担当者、資材調達担当者の方は、ぜひご参考ください。

不織布のスリット加工とは？（加工の基本と用途）

スリット加工とは、大きなロール状の素材を一定幅に裁断する加工方法です。原反（大きなマスターロール）を、製品に必要な幅に縦方向に切断し、複数の小巻に巻き取ります。この加工により、後工程での取り扱いが容易になり、製品製造の効率が大幅に向上します。

不織布は柔らかく伸縮性があるため、紙やフィルムよりもテンション（張力）管理が難しいという特徴があります。適切な張力を維持しながら切断しないと、素材が伸びたり歪んだりして、指定幅からのズレや巻き取り不良が発生します。

用途例としては、マスク用素材（不織布を一定幅にスリットして供給）、医療用フィルター、エアコンや空気清浄機のフィルター材、パッケージ資材、農業用マルチシート、建材用遮音・断熱材などが挙げられます。特に衛生用品やフィルター材では、幅の精度が製品性能に直結するため、高精度なスリット加工が求められます。

不織布のスリット加工では、素材特性に応じた技術とノウハウが必要です。ここでは3つの重要なポイントを解説します。

不織布は素材が柔らかいため、テンションが強すぎると伸びや歪みが生じやすくなります。紙やフィルムと比較すると、不織布は繊維構造が柔軟で、引っ張る力に対して伸びやすい特性があります。

テンションが不適切だと、スリット後の幅が不安定になったり、巻き取り時にシワやたるみが発生したりします。また、テンションが強すぎると、巻き取り後に素材が収縮し、幅が狭くなってしまうこともあります。

均一な引き取り速度と張力管理が品質を左右します。スリット加工機の張力制御システムを適切に設定し、素材の特性に合わせた最適なテンションを維持することが重要です。また、ロールの径が変化するにつれて必要なテンションも変化するため、常に監視と調整が必要です。

不織布のスリット加工では、刃の切れ味を保つための定期的なメンテナンスが欠かせません。
刃が摩耗すると繊維が引きちぎられるような状態になり、切断面が荒れたり、毛羽立ちやほつれが発生したりします。

特にフィルター材など、切断面の品質が製品性能に直結する用途では、常に良好な状態の刃で加工を行うことが重要です。
定期的な刃の点検・研磨・交換を行うことで、安定した加工品質を維持できます。

サンロールグループは、紙加工で培った精密スリット技術をもとに、不織布やフィルムなど柔軟素材にも対応しています。

長年の紙加工で培った高精度なテンション制御技術を、不織布加工にも応用し、伸びや歪みを最小限に抑えた安定した加工を実現します。テンション制御、刃物管理などのノウハウにより、安定した寸法精度と高い品質をお約束いたします。

フィルター材、衛生用品、産業資材など、さまざまな不織布素材のスリット加工に対応しており、素材の特性に応じた最適な加工方法をご提案いたします。

不織布のスリット加工ならサンロールグループにお任せください。多品種・小ロットにも柔軟に対応いたします。不織布資材の生産・加工を担当されている企業担当者様、資材調達担当者様からのご相談をお待ちしております。

不織布のスリット加工は、素材特性を理解したテンション管理と刃物選定が鍵となります。柔らかく伸縮性のある不織布は、紙やフィルムとは異なるアプローチが必要で、経験とノウハウが品質を左右します。

柔軟素材ほど加工精度の差が製品品質に影響しやすく、実績のある専門業者への依頼が安心です。サンロールグループでは、紙加工で培った高精度スリット技術をもとに、不織布をはじめ多様な素材加工に対応しています。

不織布のスリット加工をご検討の際は、テンション管理や刃物選定などの技術力を持ち、清浄な加工環境を整備した専門業者を選ぶことが、製品品質を確保する重要なポイントとなります。