ラベルの抜き加工とは?仕上がりに差が出る基本と注意点

商品パッケージや管理表示などに使われる「ラベル」は、日常の中で非常に多く使われている印刷製品のひとつです。そんなラベルの製造工程において重要な役割を担うのが「抜き加工」です。
ラベルの抜き加工では、印刷内容だけでなく使いやすさや仕上がりの美しさを左右するため、丁寧な対応が求められます。本記事では、ラベルの抜き加工について、基本的な知識と注意点をわかりやすくご紹介します。
ラベルの抜き加工とは?
ラベルは、粘着紙やフィルム素材に印刷を施し、指定の形状に切り抜いて製品化することで完成します。このときに用いられるのが「抜き加工」であり、トムソン型などの専用金型を使って、決められた形状に打ち抜くのが一般的な方法です。
ラベルの抜き加工では、印刷位置とのズレ防止や、剥がしやすい形状設計、裏面の剥離紙を傷つけない加工精度が求められます。量産時にも安定した仕上がりを実現するためには、素材ごとの特性をふまえた細やかな調整が不可欠です。
ラベルの抜き加工で注意すべきポイント

剥離紙を切らずに上層のみを加工
ラベルは「表面(印刷+粘着層)+裏面(セパレーター)」という構造になっているため、上層のみを正確にカットし、裏の剥離紙は残す加工が基本です。
刃圧が強すぎると剥離紙が切れてしまい、製品としての使い勝手が損なわれます。素材の厚みや粘着層の構造に応じて、刃の深さを精密に調整することが重要です。剥離紙が切れてしまうと、ラベルを1枚ずつ剥がすことができず、作業効率が大きく低下してしまいます。
印刷との位置ズレに注意
ラベルは多くの場合、事前に印刷されたシートを抜き加工するため、印刷と抜き位置がずれないように加工精度を保つ必要があります。
特に細かな形状や小さいラベルでは、ほんのわずかなズレでも見た目に影響するため、位置合わせと安定した送り精度が品質を左右します。円形や楕円形のラベルでは、印刷デザインが中心からズレていると製品全体の印象が大きく損なわれてしまいます。
素材特性に応じた加工条件の設定
ラベルに使用される素材は、紙からフィルム、合成紙まで多岐にわたります。それぞれの素材は厚み、伸縮性、表面の質感などが異なるため、素材に合わせた刃圧や速度の調整が必要になります。
例えば、フィルム素材は紙に比べて伸びやすく、加工時に変形しやすい特性があります。また、粘着力の強い素材では、加工時に刃に粘着剤が付着しやすく、こまめなメンテナンスが求められます。
まとめ
ラベルの抜き加工は、製品の機能性と見た目を両立させるうえで非常に重要な工程です。素材構造を理解し、正確な刃圧や位置調整を行うことで、きれいな仕上がりを目指すことができます。
