コート紙の断裁加工ガイド|「紙ズレ」や「表面のキズ」を防ぐ注意点

コート紙の断裁加工ガイド 「紙ズレ」や「表面のキズ」を防ぐ注意点

チラシやパンフレット、雑誌の表紙など、美しいカラー印刷に欠かせない「コート紙」。

表面が滑らかで光沢があり、写真やイラストを鮮明に表現できる特性から、広告印刷物や販促ツールに広く使用されています。その美しさが製品の訴求力を大きく高めるため、印刷業界では欠かせない紙種となっています。

しかし、表面が滑らかで光沢がある反面、断裁加工の際には「紙ズレ」や「キズ」が起きやすいという特性があります。せっかく美しく印刷された製品も、断裁工程でのトラブルによって品質が損なわれてしまうことも少なくありません。

この記事では、コート紙を美しく、高精度に断裁加工するためのポイントについて、紙加工のプロが解説します。

目次

「コート紙」とは?(特徴と主な用途)

コート紙とは、紙の表面に塗工剤(コート剤)を塗布し、平滑性や光沢を高めた紙のことです。原紙(ベースとなる紙)の上に白色顔料やバインダーを含む塗工剤を塗布することで、印刷インクの発色性や再現性を大幅に向上させることができます。

コート紙には、光沢の度合いによっていくつかの種類があります。最も光沢が強い「アート紙(グロス系)」、標準的な光沢を持つ「コート紙」、光沢を抑えた「マットコート紙」などが代表的です。それぞれ用途や求める質感によって使い分けられています。

主な用途としては、写真やイラストを多用するチラシ、会社案内やサービス紹介のパンフレット、ポスター、カタログ、雑誌の表紙や本文などが挙げられます。特にカラー印刷の美しさを重視する販促物では、コート紙が標準的な選択肢となっています。

上質紙との主な違いは、印刷適性と質感にあります。上質紙は表面がコーティングされていないため筆記性に優れますが、印刷時のインクの発色はコート紙に劣ります。また、コート紙は表面が滑らかで光沢があるため、見た目の高級感がありますが、その分滑りやすく、加工時の取り扱いに注意が必要です。

コート紙の断裁加工で注意すべき3つのポイント

コート紙の断裁加工で注意すべき3つのポイント

コート紙の特性ゆえに、断裁加工の際には特別な注意が必要です。ここでは、品質を左右する3つの重要なポイントを解説します。

紙ズレの防止

コート紙は表面が非常に滑らか(特にグロス系のアート紙)なため、紙束を重ねて断裁する際にズレやすいという特性があります。これは、紙同士の摩擦係数が低いことが原因です。

上質紙などの非塗工紙と比較すると、コート紙は紙同士が滑りやすく、断裁機の刃が降りる際の圧力や振動で、束の下部にある紙が簡単にずれてしまいます。このズレが発生すると、仕上がりサイズにバラツキが生じ、製品としての品質が大きく損なわれます。

この問題を防ぐには、紙を固定する圧力(クランプ圧)の微細な調整と、刃の入れ方にノウハウが必要です。クランプ圧が弱すぎると紙が固定されずズレやすくなり、強すぎると紙が変形したりキズがついたりします。また、一度に断裁する枚数の調整や、紙の状態(湿度による含水率の変化など)への対応も、精度を維持するための重要な要素です。

表面のキズ・汚れ

コート紙はデリケートな表面を持つため、作業中のわずかな擦れや、断裁機のテーブルとの摩擦でキズがつくことがあります。特に光沢が強いアート紙やグロスコート紙では、微細なキズや指紋も目立ちやすく、細心の注意が必要です。

断裁作業では、紙を機械にセットする際や、断裁後に取り出す際に、紙同士が擦れたり、機械の金属部分に触れたりします。この時、表面の塗工層にキズがつくと、製品の美観が損なわれてしまいます。特にカラー印刷の濃い部分やベタ塗りの部分では、キズが非常に目立ちます。

また、コート紙はインクが乾きにくい特性があるため、印刷後の「裏移り(ブロッキング)」にも注意が必要です。インクが完全に乾燥していない状態で断裁作業を行うと、紙同士が接触した際にインクが隣の紙に転写してしまうことがあります。この問題を防ぐには、印刷後の乾燥時間を十分に確保すること、そして断裁作業中も紙の取り扱いに細心の注意を払うことが重要です。

断面の仕上がり

コート紙の断面品質も、製品の完成度を左右する重要な要素です。刃の切れ味が悪いと、表面の塗工層が綺麗に切断されず、剥がれたり欠けたりすることがあります。また、断面が毛羽立ったり、白っぽく見えたりすることもあります。

特にコート紙は、原紙の上に塗工層が乗っている構造のため、刃の状態や断裁の設定によっては、塗工層と原紙の境界で剥離が起きやすくなります。これが発生すると、断面の見た目が悪くなるだけでなく、冊子などに製本した際の耐久性にも影響を与えます。

美しい断面を実現するには、定期的な刃のメンテナンスが不可欠です。刃を常に鋭利な状態に保ち、適切な角度と圧力で断裁することで、塗工層を含めた綺麗な断面が得られます。また、コート紙の種類や厚みによって最適な設定が異なるため、紙の特性を理解した上での細かな調整が品質を左右します。

高精度なコート紙の断裁加工ならサンロールグループにお任せ

高精度なコート紙の断裁加工ならサンロールグループにお任せ

サンロールグループは、紙加工の専門家として、デリケートなコート紙の特性を熟知しています。

長年の経験で培ったノウハウをもとに、コート紙特有の課題に対応した断裁加工を実現します。滑りによる「紙ズレ」を防ぐ高精度な断裁技術と、キズや汚れに配慮した丁寧な作業で、お客様の大切な印刷物を美しく仕上げます。

高性能な断裁機と徹底した機械管理により、チラシ、パンフレット、ポスター、カタログなど、さまざまなコート紙製品の断裁加工に対応しています。小ロットから大ロットまで、品質を妥協することなく承ります。

コート紙の断裁加工ならサンロールグループにお任せください。薄紙から厚紙まで、あらゆる紙のご相談を承ります。印刷会社様、広告代理店様、企業の販促担当者様からのお問い合わせをお待ちしております。美しい印刷物を、さらに美しく仕上げるパートナーとして、弊社にご相談ください。

まとめ

コート紙は、その美しい光沢と優れた印刷適性から、販促物や出版物に欠かせない紙種です。しかし、表面が滑りやすくデリケートなため、断裁加工には高い技術が求められます。

特に「紙ズレ」による寸法精度の低下や、「表面のキズ」による美観の損失は、製品品質に直結する重要な問題です。これらを防ぐには、コート紙の特性を深く理解し、適切な機械設定と丁寧な作業を行う必要があります。

コート紙の断裁加工をご検討の際は、経験豊富な専門業者への依頼が安心です。美しく印刷された製品を、最後まで高品質に仕上げるために、信頼できるパートナーを選ぶことが重要となります。

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