上質紙の抜き加工とは?特徴と注意点をわかりやすく解説

上質紙の抜き加工とは? 特徴と注意点をわかりやすく解説

書籍や帳票、封筒、パンフレットなど幅広い用途で使われている「上質紙」。自然な白さと高い筆記性を持ち、汎用性の高い紙素材として親しまれています。

こうした上質紙を製品の形に整える際には、「抜き加工」が欠かせません。しかし、非塗工紙である上質紙は、加工時に特有の注意点があり、丁寧な取り扱いが求められます。この記事では、上質紙の抜き加工における基本とポイントをわかりやすくご紹介します。

目次

上質紙の抜き加工とは?

上質紙とは、化学パルプを主原料とし、表面に塗工を施さない「非塗工紙」に分類される用紙です。インクの吸収性が高く、自然な風合いを持つため、帳票類や冊子、教育用途の印刷物などに多く使用されています。

抜き加工では、トムソン型(打ち抜き型)などを使用し、紙を所定の形状にカットします。上質紙は比較的柔らかいため加工しやすい反面、断面の毛羽立ちや寸法変化への配慮が必要とされます。

上質紙の抜き加工で注意すべきポイント

上質紙の抜き加工で注意すべきポイント

柔らかさによる断面の毛羽立ち

上質紙は非塗工紙であるため繊維が固定されておらず、抜き加工時に断面が毛羽立ちやすいという特徴があります。刃物の切れ味が落ちていたり、刃圧が不適切な場合、バリや繊維の乱れが発生することもあります。

きれいな仕上がりを実現するには、定期的な刃のメンテナンスや適切な刃圧調整が欠かせません。特に細かな形状や複雑なデザインの抜き加工では、断面の毛羽立ちが製品の見た目に大きく影響するため、より慎重な対応が求められます。

湿度による寸法変化に注意

上質紙は吸湿性が高く、環境の湿度や温度によって寸法が微妙に変化します。梅雨時や乾燥期などでは紙が伸びたり縮んだりしやすく、加工寸法にズレが生じる可能性があります。

安定した加工を行うためには、紙を加工前に環境になじませることや、作業場の湿度管理が重要です。特に高精度な寸法が求められる製品では、紙の保管状態や加工タイミングにも配慮が必要になります。

紙粉の発生への対応

上質紙は繊維構造が比較的緩やかなため、抜き加工時に紙粉が発生しやすい傾向があります。紙粉が多く発生すると、製品への付着や加工機の汚れの原因となり、次の加工工程にも影響を及ぼす場合があります。

刃の切れ味を維持することや、適切な除塵対策を行うことで、紙粉の発生を抑え、清潔な仕上がりを保つことができます。

上質紙の抜き加工ならサンロールグループにお任せ

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上質紙の抜き加工なら、紙加工に精通したサンロールグループにご相談ください。

サンロールグループでは、上質紙の柔らかさや吸湿性といった特性に応じて、刃型設計や刃圧・加工スピードの調整に取り組んでいます。断面の毛羽立ちや加工精度に配慮し、品質の安定を目指した仕上がりをご提供できるよう努めています。

小ロットの試作から量産対応まで、用途に応じた対応を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

上質紙は扱いやすい紙素材でありながら、非塗工ゆえの柔らかさや湿度による寸法変化に配慮した抜き加工が求められます。刃型や加工環境の工夫によって、断面の美しさや精度を維持することを目指せます。

サンロールグループでは、これまでの経験とノウハウを活かし、上質紙の特性を踏まえた抜き加工で、お客様の製品づくりをサポートいたします。

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